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漫画を描くと著者に著作権が成立します。それは「独占的な権利」で、他人がその著作物を使うかどうかを決める権利であり、
イヤなら断る権利であり、使うかわりにこうしてほしいと言える権利です。この権利は著作権法によって守られています。
雑誌に漫画を描いて原稿料をもらうのは、著作権者として作品の使用を認めたお礼にお金をもらっているわけです。
この対価の支払いにいちいち契約書を交わすケースはほとんどありません。面倒ですから。
原稿料(雑誌掲載への対価)は口約束だったり、場合によってはいくらもらえるのか不明のまま掲載されることも
(編集の立場からすると原稿料未定のまま掲載することも)あるようです。
しかし、本になるときは違います。
そこには「出版権」という権利が発生するため、契約書を取り交わすのが普通です。出版権はその「著作物を出版する権利」で、
これも「独占的な権利」です。お金をかけて本を出したら同じ本が他社からも出ていたのでは商売になりません。
さて、問題はその契約書です。
内容を読まずにサインする作家もいるようですが、せっかくですから以下の2点だけでも確認する事をお勧めします。
1:出版権の存続期間(契約の有効期間)
出版社がその本を作り宣伝し売るために独占的な出版権を設定することは前述しました。確認したいのはその出版権を何年に設定するかということです。
2年という出版社もあれば、10年という出版社もあります。長い方がそれだけ本を長い目で見守ってくれる、という解釈もありますが、
逆に作家が縛られることになることもあります。めったに起こらないことですが、ごくまれにその出版社と関係が悪化することがあるのです。
契約期間7年という契約書にサインしてしまったために、長い連載の後半2巻を他社で出しながら前半3巻が書店に並べられない状態になってしまった
ケースも実際にあります。
ついでに更新についての文言も確認しておきましょう。自動更新なのか(面倒を省くためにこれが多い)他に条件があるのか。例えば増刷したら
そこから3年延長と書いてあれば、増刷の前にきちんと連絡をもらい、その後3年間その出版社と良好な関係を保っているかどうかを自分に問うてみる必要があります。
出版権の長さは知っておきましょう。
2:著作権使用料(印税)
一般に著者に支払われる印税は本の本体価格の10%です。超売れっ子(やその出版社に強い影響力を持つ人)になると12%や15%というケースも
あるそうですが(漫画界では超まれ)、最近は出版不況の影響か8%や7%という契約も増えているようです。自分の印税が何%なのかきちんと確認しておきましょう。
思ったよりも低かったら、なぜ低いのか理由をきいてみてもバチは当たらないでしょう。もちろん「もっと増やして!」と頼んでみる権利はあります。
勇気がいるかもしれませんが。
注意したいのは、印税は10%とあるものの、「初刷の7割を保証する」といった文言があるケースです。
これは刷り部数全部について印税を支払うのではなく、7割分については印税を確実に支払いますが、残り3割分の印税は売れた場合にお支払いします、
という意味です。つまり、本が7割以下しか売れなかった場合、初刷部数に対する印税は実質7%ということになります。
日本では刷部数に対して印税を払いますが、アメリカでは売れた部数に対して払うのが普通だそうです。書籍の流通システムが違うことも理由にあるのですが、
今後日本でも刷部数10割の印税を払わない契約が増えてくるかもしれません。契約書をもらったら印税の支払いがどうなっているのか、
支払時期や支払い法(現金がほとんどです)も含めて確認しておきましょう。
※本の担当編集者と良好な関係であったとしても、その編集者がいつまでもあなたを担当している保証はありません。
担当編集者がいなくなっても契約は有効ですから、編集者の人柄や個人的な信頼感はひとまず頭からはずして、冷静に契約書に目を通しましょう。
※といっても不安を感じる必要はありません。トラブルが起こるのは本当にわずか。たいていは話し合えば納得できる線で合意します。
上記2点と「著作物の2次利用に際して著者の意向が最優先されること」だけ確認すれば、あまり神経質になる必要はありません。
著作権者としての意識を持ち、使用させてくれと申し込みが殺到するような作品を描けばよいのです(それが難しい?)。
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